当社の就業規則には、退職後6カ月間、当社と同県内での競業を禁止する規定があります。先日、退職した元従業員が、退職後1ヶ月後に、当社と同市内にある競業会社に入社したことが発覚しました。この従業員に対し、損害賠償請求等は可能でしょうか。



 このケースの場合、まず、退職後の競業を禁止する就業規則の効力が問題となります。退職する従業員には、憲法上職業選択の自由が認められているため、退職後の競業を禁止する内容の就業規則が当然には有効となりません。
 実務上、退職後の競業禁止規定については、①競業避止を必要とする使用者の正当な利益が存在していることを前提に、②競業避止の範囲が合理的範囲にとどまっているか否か、③代償措置の有無等を総合的に考慮して、競業禁止規定の合理性が認められないときは、当該規定は公序良俗に反し無効になるとされています。
 したがって、例えば、競業避止規定の目的が、単に商圏が侵害される、有能な人材が競争相手に移籍しては困るなどを目的とする場合には、そもそも正当な利益が存在していないと判断される可能性があります。

 これに対し、企業にとって価値のある技術、ノウハウ等が漏えいたり、他人に利用されることにより会社が損害を受けるのを防ぐ目的であれば、 基本的には正当な利益は認められます。

 次に、正当な利益が存在すること(①)を前提に、競業避止規定の合理性(②③)が認められるかが問題となりますが、一般的には、競業避止を課される従業員、場所的範囲、競業禁止期間、競業禁止行為が限定されているほど、競業避止規定の合理性が認められやすいといえます。
 今回のケースでは、競業避止を課される従業員や競業禁止行為は限定されていませんが、競業禁止期間は6カ月と比較的短く、場所的範囲も同一県内に限定されておりますので、有効性が認められやすいでしょう。
 
 また、代償措置については、競業避止義務を課すことに対する対価を明確にしているケースは少なく、代償措置がなければ競業避止規定が無効となるわけではありませんが、1つの重要な要素にはなります。
 裁判例の中には、在職中の賃金が高額であったことをもって代償措置があると判断したものありますので、当該従業員の在職中の賃金額も1つの要素となります。

 いずれにしても、競業避止規定の有効性は、様々な要素を総合的に考慮して判断する必要があります。
 仮に競業避止規定が有効である場合、当該従業員に対し、競業避止義務違反を理由に損害賠償請求をする余地があります。
 もっとも、会社に損害が生じているか、損害の立証ができるか、については別途問題が生じます。 







 

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